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沖縄県知事選

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 ●翁長前知事の遺志継ぐ玉城氏が当選●

 9月30日、沖縄県知事選挙の投開票が行われ、玉城デニー氏が当選した。玉城氏は翁長前知事の遺志を引き継ぎ、「辺野古新基地建設を阻止する」と明言。一方の佐喜真氏は「辺野古」には触れず、自民・公明の強力な支援を受けて選挙戦を進めたが大差で敗れた。



 ■憲法通じない現実、変革するのは民意■

 9月13日、辺野古新基地建設問題を最大の争点とする沖縄県知事選挙の火蓋が切られた。「オール沖縄」が支援する玉城デニー氏は、本年8月8日にすい臓がんで逝去した翁長雄志前知事の遺志を引き継いで知事選に立候補して闘いを展開。
日本全土の0.6%の面積しかない沖縄には現在も在日米軍基地の70%以上が集中している。これにより、米軍基地による被害が後を絶たない。国内でありながら日本国憲法が通用しない現実が今も存在している。

 翁長前知事は、6月23日の慰霊の日に安倍首相を前にして「20年以上も前に合意した辺野古への移設が普天間飛行場の唯一の解決策と言えるのか」「辺野古に新基地は造らせないという私の決意は県民とともにあり、これからも微塵も揺らぐことはない」と宣言していた。まさに、翁長前知事は、自らの命が尽きるまで辺野古基地建設反対を貫き通した。

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 ■承認撤回を発表、支持する玉城氏■

 8月末、翁長前知事の職務代理者である富川盛武副知事から撤回の権限を委任された謝花喜一郎副知事は、工事主体である防衛省沖縄防衛局に撤回の通知文書を提出した。撤回の理由として、①埋め立て予定地に軟弱地盤が存在していることが明らかになった、②サンゴなどの環境対策が十分でない、③県との話し合いが不十分なまま工事を進めている、などを挙げている。

 玉城氏は、翁長前知事の最後の仕事と言える「埋め立て承認撤回」への支持を明らかにし、「このかけがえのない島の未来を誰でもなく自分たちの手で創り出していく」「生まれてくる子どもたちに、明日を担う若者たちに、平和で真に豊かな沖縄を託せるようにしたい」と決意を表明。さらに、玉城氏は「国頼みではなく、沖縄の誇りある豊かさを築き、イデオロギーよりアイデンティティーを大事にしよう」という翁長氏の遺志を受け継ぎ、辺野古新基地建設阻止を前面に掲げて闘った。

 一方、沖縄県民の民意を無視した安倍政権丸抱えの佐喜真淳候補(前宜野湾市長)は、「対立や分断からは何も生まれない」として「対話」を強調。しかし、「対立」や「分断」を誰が持ち込んでいるかを明らかにせず、対立の最大の原因である「辺野古新基地建設問題」に触れずに選挙の争点から外すという選挙戦を展開した。

 ■民意は示された、建設工事中止を■

 
 結果、9月30日に投開票された知事選では8万票の大差をつけて玉城デニー氏が当選。新たな県知事が誕生した。当選後のインタビューで玉城氏は「辺野古新基地建設は認めない。『道理』を止めてはいけない。崩れても、折れてもいけない」と決意を新たにした。

 明確に示された民意をこれ以上無視することは民主主義国家として許されない。安倍政権は辺野古新基地建設工事をただちに中止すべきである。


  【 くさり10月号より 】


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